概要

部門設立の目的

大学院システム情報科学府・研究院は、当初から情報科学 (I) と電気電子工学(E) との密接な連携を意図して、I & E というキーワードを標榜してきました。単一の組織でありながら複数のキャンパスや建物に分散していたものが、平成18年(2006年) 10月には新しい伊都キャンパスに移転統合して、I & E 実現に対する地理的ないし物理的な制約が解消されました。

そこへ、九州大学が戦略的に推進する大学改革・活性化という基本施策に応じる形で、システム情報科学としては、I & E の更なる融合と発展を、組織改革・活性化の核とすることとし、平成24年度に I & E ビジョナリー特別部門を新たに設置しました。この特別部門は、既存の部門とは独立して活動し、世界最先端の研究・教育を加速し、新しい研究領域を絶えず創成・展開することによって、システム情報科学の改革・活性化を牽引するという役割が課せられています。

現時点では、この特別部門専任の教員は3名ですが、これに、システム情報科学研究院から研究院内サバティカル教員2名と協力教員5名が加わって、活動しています。システム情報科学府・研究院の先端サマーセミナー(8月20日開催)での I & E 特集やファカルティデベロップメント、博士後期課程の学生のアドバイザリ委員会でのI と E との間の相互乗入れなどを通して、既に、I と E との実質的な融合発展促進に対する効果が現れてきており、改革・活性化の次の段階への推進力を与えています。今後の更なる展開への期待に応えるべく、高い意識を維持しながら邁進しているところです。

研究領域

I&E ユビキタスセンシンググループ

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CPS による持続可能なIT 社会の発展(下図)に向けて、本グループでは、光センシングを軸とした光エネルギーハーベストによる無給電センサーや、諸情報の光学情報への変換を可能とする光センシングデバイスの研究を行います。実世界の膨大な情報を、エネルギーの消費を増大させずにサイバースペースへのビッグデータへと反映させる、実世界への超分散型インターフェースの構築を目指します。

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研究では有機材料のデバイス応用とレーザー工学が中心です。上は固体中を分子が高速移動するPDMS 材料を活用した青色レーザー構造の開発例です。下はインクジェットによる有機マイクロディスク構造の作製例です。リソグラフィーの1/100 以下の時間・コストでセンサーを作製可能となります。

I&E LSI システムグループ

本グループでは、半導体が産み出すビッグデータ・CPS の実現(図1)を目指しています。具体的には、図2に示す様にデータを継続的に収集のためのバッテリーレスセンサノード、収集した膨大なデータをデータセンターまでに伝送する超高速(10GBPS を超える)の無線システムの研究開発を行っています。

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図1:半導体が産み出すビッグデータ・CPS
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図2:バッテリーレスセンサノード
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